インスタントの出汁あるじゃないですか。
あれは
忙しい人が、出汁を取る時間を短縮して
出汁に【似た】味が出るから便利なんですよね。
インスタントの価値は『簡単で出汁のようなものができる』こと。
だから、まずはほんとうの出汁の味を知らないと
その真の価値はわからない。
インスタントが良いか悪いか
という話ではなく。
で、着付けの話。
着付けは、見た目は分かっていても
着心地になったら
その本来の着心地を知らないから目指しようがないし、判断もつかない。
だから
こんなところは簡単にしてもいいんですよ
とかアドバイスされても
何がどう簡単になって
何が失われるのか
ということがわからない
だからそれを【正しいこと】として受け入れてしまう
本来なら
着物は体を包み、支え、動きをサポートしてくれるもの。
紐も体を支えてくれるし
力を入れないほうがよく着られる
なのに
みんなの着物を持つ手は力が入ってガチガチ。
そうしないと崩れる
と思っているから。
あぁ……ほんとうの着心地を知らないんだなぁ
だからまずは
そんなことを味わってもらうために
最近は
おひとりずつ時間の許す限りですが
紐を使わずにお着せするようにしています。
いわば着心地の味見。
ぴったりと包まれる心地よさは紐無しならでは。
これを知ったら、
着付けとはどういうものなのか
おぼろげでも感じてもらえるのではないかと思うのです。
味見に来てください!